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アルミニウムは鉄系の金属材料にはない特徴が多くあり、非鉄金属の中で最も一般的な材料です。特徴としては、軽い、強い、錆びにくい、加工しやすい、熱伝導性が良い、電気が伝わりやすい、リサイクルできる、磁気を帯びない、低温に強い、熱・光を反射する、毒性がないといったものがあります。
アルミニウムは軽い一方で柔らかいという性質を持っています。加工性は非常に高いですが、刃物に溶着する可能性があります。100%アルミの加工品は強度が足りないので、一般的にマンガン、銅、ケイ素、亜鉛、ニッケル、マグネシウムなどの金属を加えて欠点を克服しています。
アルミニウムに加える金属によって異なる特徴を持つようになるため、番手というAと4桁の数字で分類されています。
純度99.90%以上のアルミニウムが1000系、あるいは純アルミニウムです。純度が高いので熱伝導性や導電率、加工性、耐食性には優れていますが、強度が低く構造部品には使えません。外観が良いので製品や設備のカバーに使われます。
銅が添加されたアルミニウムです。強度は高くなりますが、耐食性は低くなり、海水などにさらされる場合には防蝕処理が必須。A2017はジュラルミン、A2024は超ジュラルミンと呼ばれており、鋼材にも匹敵する強度があります。
強度と耐食性が高く、溶接性や加工性にも優れています。車両や船舶材料に多く使われています。
マグネシウムとシリコンを添加したアルミニウムです。強度、耐食性、加工性、溶接加工性に優れており、特に押し出し加工性が良く板や棒などさまざまな形状に対応できます。建築用サッシにはA6063が使われています。
亜鉛とマグネシウムを添加したアルミニウム。熱処理によりアルミ合金の中で最も高い強度となります。A7075はSS400を超える強度があり、超々ジェラルミンとも呼ばれるアルミニウム材です。高価ではありますが、強度や加工性があるため航空機やスポーツ用品に使用されます。
アルミニウムは軽量で加工がしやすい特徴があります。ほかにも優れた特徴がありますが、強度が低い欠点を補うためほかの金属を添加して、さまざまな用途に使われています。各アルミニウム材のメリットとデメリットをよく理解した上で、最適な使い方を検討しましょう。