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縞鋼板と有孔鋼板の違いについて、実際に使用用途や形状、特徴などのポイントを押さえながら解説していきます。どちらもの特徴を把握して、うまく使い分けましょう。
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縞鋼板とは、滑り止め用の連続した突起が付いた鋼板のことを言います。「チェッカープレート」という呼び方や「縞板(しまいた)」という呼び方をされることでも知られています。熱延鋼板の表面につけられた突起は、互い違いに格子状を模して連続して連なっています。圧延ロールに模様付きの専用の物をセットすることで作成されており、現在ではほとんどの縞鋼板が薄板ラインで製造されています。
突起の形状・配列は各社によって微妙な違いが見られますが、どれも性能に目立った差はありません。縞鋼板の特徴は滑りにくさであり、表面が水や油に濡れた場合でも突起が滑り止めの役割を果たします。ステンレスやアルミ、FRPの縞鋼板など材質ごとの流通もあり、見た目や耐久性などによって使い分けるのが一般的とされています。
表面についた突起が良好な滑り止め性能を持っているため、建築物や工場、作業場などの床面に縞鋼板を使用するケースも多く見られます。人が走り回ることや多く行き交うことが多い場所などでは、縞鋼板の滑り止め性能により、人の転倒リスクを防ぐことができます。
また水や油に濡れても滑りやすいという特徴から、様々な薬品・製品を取扱うような工場でも重宝されています。化学工場や食品工場では、耐食性・清潔性が求められるためステンレス製の縞鋼板が多く用いられています。
人や物の乗り降りが多く行われる運搬車両では、縞鋼板のような滑り止め性能の認められる鋼板が多く使われています。走行中の車両内でも人が行き交う場合などには、縞鋼板の凸部が転倒リスクを軽減させます。
またキャリーケースや車いすと言ったホイールのついたものを動かす場合にも、縞鋼板の滑り止めが有効活用されています。靴に付着していた水や砂、泥といった汚れが一か所にたまりにくく、清掃面で優れているのも縞鋼板が使われる理由の一つです。
車いすや台車、キャリーケースなどを運ぶ際のスロープ材にも、滑り止め性能の高い縞鋼板が使用されています。アルミ製の縞鋼板は時期の影響が少なく、FRP製の縞鋼板は絶縁性や耐食性に優れているため、材質を使い分けることによって多岐にわたる施設で使用されているのです。
縞模様を思わせる単純なパターンは、意匠性も優れています。そのため公共施設や一般道路で使用しても景観を損ねにくく、各地で側溝の蓋などにも適応しています。
有孔鋼板と縞鋼板の大きな違いは、表面の凸部の有無です。縞鋼板にはチェック柄を思わせる凸部が連続してついていますが、有孔鋼板は凸部を一切排し、全ての面がフラットになっています。つなぎ目の金具が露出することもないため、機械設置を妨げることはなく、どこにでも配置できるオールマイティな使い勝手が特徴です。
デザイン面においても、チェック柄を思わせる縞鋼板とフラットでシンプルな有孔鋼板で違いが見られます。有孔鋼板は軽量なため床だけではなく天井にも使用できることから、施設内の多くを構成することも可能。下から見上げても見た目がスッキリしています。
薄く施工性に優れていることから、工期の短縮や大量施工によるコスト削減も期待できる点が、有効鋼板の特徴です。