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板材を完成形とされている製品や形状に近づけるために、切断や折り曲げ・穴あけなどで仕上げていく工程を板金加工と言います。
一般的な板金加工の場合は、自動車ボディーのへこみ修理を指しますが、機械設計分野の板金加工は、金属板材の加工方法を指します。
板金加工は材料ごとにJIS規格によって決められた厚みで加工しています。板材が薄すぎると折り曲げ時に破断してしまい、厚すぎると折り曲げられなくなるため、規格に合わせた板材の製作が必要です。
板金加工では図面を展開し、その図面を基に板材に切断や折り曲げ・穴あけなどを行っていきます。
板金加工と似た加工方法として「プレス加工」が挙げられます。板金加工は、板材を折り曲げる機械や穴をあけるための汎用機を利用するため、設計変更にも柔軟に対応可能です。一方プレス加工は金型を用いて加工するため、設計変更には対応できません。
板金加工を行うメリットは、プレス加工と比べて初期費用をリーズナブルに抑えられる点です。プレス加工と違い、金型を準備する必要がないため、初期費用を抑えられます。
また図面に応じて臨機応変な加工が可能。繊細な加工もできるため、複雑な形状の製品も生産可能です。
板金加工のデメリットとして、製作時間がかかってしまう点が挙げられます。複雑な形状の製品を柔軟に生産できる点がメリットですが、金型がないため、製品を一つひとつ製作するのに時間がかかってしまいます。一方プレス加工では金型を利用するため、効率的な大量生産が可能です。
板金加工は主に3種類の加工方法に分けられます。金属製の板材を切断する「せん断加工」や必要な形状・ネジ穴などをあける「穴あけ加工」、折り曲げて加工する「折り曲げ加工」です。
折り曲げの種類は「L曲げ」や「U曲げ」、「Z曲げ」などがあり、製品によって使い分けます。