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鋼製床材との違い

鋼製床材と有孔鋼板の違いについて、用途や耐荷重の例などを見ながら解説します。それぞれの用途に適しているポイントもご紹介します。似ているようで違う使い分けのポイントを把握し、設計時適切に使い分けられるようにしましょう。

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鋼製床材とは

鋼製床材のイメージ
※引用元:株式会社霜鳥HP
https://yukakouji.net/%E9%8B%BC%E8%A3%BD%E5%BA%8A%E3%80%80steel-floor/

鋼製床材は鋼板を折り曲げてつくる建材で、隣同士で組み合わせて結合することで強度を出すのが特徴。組み合わせて荷重を分散するため高い耐荷重性能を持つ製品も多く、駐車場の床に使用できるものもあります。

パンチング孔やスリット、滑り止めエンボス加工など表面のバリエーションも多く、使用する場所や用途に合わせて選ぶことが可能。工場の床や建設工事現場の仮設床材、冷凍庫の床などさまざまな場所に使われている材料です。

鋼製床材の用途

屋上やバルコニーの床

高い強度を持つ鋼製床材は、商業施設やビルなどの屋上床材として使われることが多いです。施工性に優れ工期を短縮できるため、面積の広い場所ほどコスト面で有利になります。軽量なため、建物にかかる負担を軽減できる点もメリットの一つです。

スリットタイプは透過性があるため、建物外部のバルコニー床にもピッタリ。光を通し圧迫感がないため、建物の景観を損ないません。雨水も透過するため、排水経路を設けなくて済む面も大きなメリット。後付けのバルコニー設置の場合も、新たに雨どい設置の必要がありません。

倉庫・工場の積層棚・形鋼棚

耐荷重が高い鋼製床材は、重い荷物を載せることが多い工場や倉庫の積層棚にも良く使用されます。少ない梁ピッチで耐荷重を確保できるため、制作コストを下げて見た目もスッキリ仕上げられる点がメリットです。透過性もあるため、複数重ねても階下が暗くなりにくいのも向いているポイント。

サイズ調整や切り欠き加工などもしやすいため、工場レイアウトに合わせた柔軟な施工も可能。床板を組み合わせて並べるスピーディーな施工のため、工場や倉庫の休業日に施工するケースでも対応しやすいです。

壁材・足場材

軽量な特性を活かし壁面施工もできる鋼製床材は、工事現場などの壁・足場材の用途でも多用されます。

現場への運び込みと組み立てが容易なうえ解体もスピーディーなため、期間限定の工事現場との相性が良いです。同じ材料を壁面にも使用できるため、仮囲いや転落防止柵としても活用可能。

駐車場として使用できる剛性も備えていてたわみが少ないため、大人数や機材が行き来する建設現場でも心配ありません。耐食性に優れているため、サビや腐食に強い点も外使用に適しています。

鋼製床材の耐荷重例

構成床材は幅や厚み、梁ピッチによって耐荷重が変わります。以下にいくつか耐荷重の例をご紹介します。

有孔鋼板との違い

ハーディフロアG スタンダード商品画像
※引用元:三進金属工業HP
https://www.sanshinkinzoku.co.jp/products_search/build_structure/structure/hardy_grating_floor/item_189

鋼製床材と有孔鋼板の主な違いは、組み立て構造と耐荷重です。

鋼製床材は隣同士を組み込む構造で、重量を分散させるため高い耐荷重を持っています。駐車場やフォークリフトを使う工場など、剛性が求められる現場に向いている材料です。

有孔鋼板は一枚ごとに独立したC型構造で、スピーディーな施工性が特徴。コスト削減や工期短縮が求められる現場に向いているといえるでしょう。

それぞれの特徴やメリットを把握し、適切に使い分けられるようにしましょう。