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鉄鋼材の一つである「SS400」は、鉄の中でも最も一般的な規格として知られている材料です。汎用剤として候補に挙がりやすいSS400の特徴を見ていきましょう。
SS400は一般構造用圧延鋼板(SS材)の一種です。鉄の中でも一般的な規格であり、汎用剤として第一に選択肢に上がるほどポピュラーな材質です。黒さびのついた黒皮材と、表面が滑らかなミガキ材が存在します。
SS400には平板材(プレート)の他にも、棒材や形鋼などが流通しており、材料も手に入れやすく価格もリーズナブルなため、使用される場面が多く見られます。
SS400は化学物質の規定がほとんどないのが特徴。鋼鉄系の材料の中では特別に耐熱性が高いわけではありませんが、一般に用いられる分には問題ないレベルの耐熱性を持ちます。建築や船舶、土木、自動車など多岐にわたる使い方がされています。
SS400の板厚は、一般的に4.5㎜、6㎜、9㎜、16㎜、19㎜と飛び飛びに存在しています。間の厚みはほとんど流通していないのが現状ですが、この厚みを利用することで加工・施工がスムーズになるというだけであり、この厚みでなければならないというわけではありません。
SS400の「400」は引張強さの下限をあらわした数値です。しかし設計上では引張強さよりも降伏点の方が重視されており、SS400の場合は降伏点が一般に245N/mm2とされています。ただしこれは板厚16㎜以下の場合に限るものであり、板厚が大きくなればなるほどSS400の降伏強度は小さくなっていきます。
一般には溶接も可能な鋼材として知られていますが、板厚50mmを超える場合には溶接が推奨されません。
SS400は圧倒的に流通量が多く、価格もリーズナブルに設定されているため、手に入れやすさがメリットとして挙げられます。炭素の含有量が少ないことから、焼入れ不要でそのまま構造材や部品として利用できるなど、加工性の良さもメリットです。
ただし炭素の含有量が少ないため、必要な強度が得られない点はデメリット。やわらかい材料として扱われるため、硬さが必要な場面では不向きです。
SS400と同じ轍を主とした板材の「SPCC」がありますが、SS400が熱間圧延鋼材であるのに対し、SPCCは冷間圧延鋼板であるという違いがあります。SS400は板厚が多い規格が多いのが特徴。
SS400と似た鉄鋼である「S45C」もありますが、こちらは炭素量が多くSS400よりも強度・硬度ともに高いのが特徴です。
SS400を用いた有孔鋼板は三進金属工業の「ハーディフロア」や双福鋼器の「パワーフロアー スタンダード」など、業界では有名なメーカーも、多く扱っている鋼材です。