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意外と分かりにくい有孔鋼板とその他の鋼板材料の違いについてまとめています。
有孔折板は亜鉛メッキ鋼板に穴を空け、折り曲げて強度を持たせた鋼板材料です。耐荷重性能はないため床面に使用できない点が有孔鋼板との大きな違い。
薄い有孔折板は天井や壁面使用を前提として設計されていますが、C型形状で耐荷重に優れる有孔鋼板は床・壁・天井どこにでも使うことができます。
有孔折板は吸音材を挟んで高速道路の防音壁などの用途に使われることもあります。加工が容易でデザインテイストも幅広く、オーダー加工に対応している点も特徴。
透過性・彩風性がある点は有孔鋼板・有孔折板ともに変わりませんが、床と壁・天井を統一したいときは有孔鋼板の方が向いているでしょう。一方既製品にないオリジナルデザインを作りたいときは、有孔折板の方が対応しやすいです。
鋼製床材は鋼板を曲げ加工して製作する建材で、有孔鋼板と基本的な構造は同じです。
大きく違うのは組み立て構造と耐荷重で、隣同士を組み込む鋼製床材の方が高い耐荷重性能を持っています。車やフォークリフトが通る床面など、耐荷重が求められる場所には鋼製床材が使われることが多いです。
反面鋼製床材の方が施工スピードは落ちますので、有孔鋼板の方が施工コストを抑えることができます。人が歩く床面で高い耐荷重が必要ない場合、有孔鋼板の方がメリットは大きいでしょう。
鋼製床材は床用建材として開発されているため、壁面や天井には使用できない点も違うポイント。デザインを統一したい場合も、壁・天井にも使える有孔鋼板が向いています。
エキスパンドメタルは鋼板材料に切れ目を入れ、引き伸ばしてつくる網状の建材です。軽量で強度があり、床・壁・天井に使用することができます。
有孔鋼板より開口率が大きい製品が多く、曲げ加工にも対応できる点も特徴。表面の凹凸が滑り止め作用を持つため、屋内外の幅広いシーンで床材として使用されています。
ただし広い面積に使う場合、溶接が必要になり連結部分の凹凸が発生するため、フルフラットになりません。転倒リスクの軽減や機械の配置などでフルフラットの床面が求められる場所には、有孔鋼板の方が適しています。
スリット穴の幅も有孔鋼板の方が小さいため、ビスやナットなどの落下防止が必要な場所も有孔鋼板の方が向いています。
デッキプレートは角波型の鋼板材で、主にコンクリート仕上げ床の下地として使われることが多い建材です。仕上げ材として使う有孔鋼板と違い、床仕上げ面に露出することはありません。
工場などで吊り金具を使って配線や配管をする場合、溶接や穴あけ加工が必要になる点も有孔鋼板との違い。有孔鋼板は加工なしで吊り金具を設置できる製品があるため、配管が多い現場では施工効率アップでコストダウンにつながります。
デッキプレートを敷き込む職人と、コンクリートを打設する職人が分かれるのも特徴です。有孔鋼板は1職種で仕上げられるため、コンクリート仕上げにこだわらないなら施工期間とコストを節約することができます。
すのこ形状のグレーチングは、耐荷重性能に優れ道路の側溝などで見かけることが多い建材です。基本的にU字溝のフタや集水桝のフタとして使われることが多く、広い面積に使われることはありません。
ビルの屋上点検通路や工場・倉庫の床など、広い面積に使用するのは有孔鋼板の方が適しています。グレーチングは基本的にすのこ状のデザイン一種類で、壁や天井面にも使用できません。有孔鋼板は軽量なため、床・壁・天井どこにでも使用することが可能です。
グレーチングは階段の踏板として使用されることもありますが、床面とデザインを合わせるなら有孔鋼板で統一したほうが良いでしょう。同じ材料を使うことで施工スピードがアップし、コストダウンにもつながります。
ポルカプレートは凸部が丸みを帯びており、掃除がしやすい点が大きな特徴です。耐すべり性についても高い評価を受けており、チェッカープレートの2倍の設置面積があることから歩きやすく台車の走行音も静かという点もポイントです。これらの特徴から、ゴミが出やすい作業場や階段、スロープなどに多く用いられています。
有孔鋼板との違いは、表面のフラットさ。有孔鋼板はフルフラットな仕様となっていることから、表面に金具が突起せず歩行をより妨げません。
縞鋼板とは、滑り止めの連続した突起がついた鋼板。別名「チェッカープレート」「縞板」とも呼ばれており、鋼板表面につけられた突起は互い違いに格子状を模して連なる形になっています。縞鋼板は滑りにくさが大きな特徴であり、建築物や工場、作業場やバスやトラック、鉄道車両の床・ステップなどに多く用いられています。
有孔鋼板との大きな違いは、表面の凸部の有無。有孔鋼板はフラットでありつなぎ目の金具もないため、機械の設置にも影響がありません。
輸送や物流の荷物を乗せるための荷台に使用されるスチールパレット。様々な素材で作られているパレットのうち、金属製のものをスチールパレットと呼んでいます。金属製であることから強度に優れており、対価重量が大きい点、長年使用でき費用対効果の面でもメリットがあります。
以上の通り、スチールパレットは荷役台として荷物の輸送や保管を行う上では欠かせない物流資材です。対して有孔鋼板は外壁材や床材など建築資材としてオールマイティに使用できる点が特徴となっています。
網目がひし形になるように編まれたものを菱形金網と呼んでいます。材質は被覆線や亜鉛メッキ鉄線、ステンレス線などがありますが、材料や網目によって寿命や強度が異なってくることが特徴といえるでしょう。用途としては、主に場所と場所を隔てるためのフェンスのほか、工場や作業場のふるい網やコンベア金網としても利用されます。
このように、菱形金網はフェンスなどに使用されることが多く、対して有孔鋼板は穴の開いた鋼板として、床材や外壁材といった建築資材として使用されます。
パンチングメタルは、複数本のピンを使用して金属板に打ち抜き加工をしたものを指します。統一性をもった穴が空いており、穴の形には円形の他にも楕円形や三角形などさまざまな装飾柄が施されたタイプもあります。フェンスや内外装材、インテリアなどに使用されています。
有孔鋼板との類似点が多いものの、パンチングメタルは床には不向き。重たいものを支える床に使用するといったケースにおいては有孔鋼板の方が向いています。
鋼材には、SS材やSM材、SM材などさまざまな規格があります。
SS材とは汎用的に使われている鋼材であり、不良品が少ないという特徴から建築現場や土木作業場で多く用いられていますが、錆に弱い点が弱点です。SN材はSS材に変わる建築用鋼材として多く使用されており、ダイアフラムと呼ばれる接合部材として用いられています。
最後にSM材ですが、溶接性に優れており、梁同士を剛接合にしたいときなどに溶接として使用されています。
鋼材の種類にはさまざまなものがあります。例えば金属を押しつぶして加工した圧延鋼材、機械の構造用材料として開発された機械構造用鋼、切削や塑性加工用の工具・治具の材料として用いられる工具鋼、ばね鋼やステンレス鋼など用途を限定した特殊用鋼と呼ばれています。
また、鋼材の形状にも種類があります。板状に加工された鋼板、筒状に加工された鋼管、棒状に加工された棒鋼、長い板のような形状を持つ平鋼などが製造されており、用途によって使用されています。
鋼材は建築資材に多く使用されています。
建築素材として使用されているのは、炭素含有量が0.035~1.7%の鉄と炭素の合金となっている炭素鋼、建築構造専用の鋼材として開発されたSN材、厚板の鋼材や溶接性向上を目的として開発されたTMCP鋼、建築の高層化などに対応できるように開発され高い強度を持つ高張力材などがあります。
他にも、従来の炭素鋼よりも降伏点が低い低降伏点鋼、高温時の強度が高い耐火鋼、12%以上のクロムを含んだ合金鋼であるステンレス鋼なども用いられています。
SS材の次に多く使用されているS45Cとは、0.45%の炭素量を含んだ鋼材となっています。炭素の含有量が多いことから硬さを持つ材料として知られており、自動車部品や機械部品など、耐摩耗性や硬度が必要とされている部品に使用されます。加工に適した硬さを持っており、用途が非常に広い点も特徴です。ただし、炭素量が多いことから溶接時には熱で焼き割れを起こすため溶接の場面には不向きです。
さまざまな厚みがあり、薄いものでは3.0mm、厚いものは22mm程度のものまで流通しています。
SPCCは冷間圧延鋼板のひとつです。成型性や加工性に優れており、パンチや曲げ加工を必要とする製品に用いられています。また、冷間圧延で作られることから、研磨しなくても素材の表面に光沢がある点も特徴で、「ミガキ材」と呼ばれることもあります。表面仕上げの美しさも優れている鋼材です。
ただ、酸化被膜を落としていることから酸化しやすく錆が発生しやすい点がデメリットとなっており、加工後の塗装やメッキが必要です。
鋼材SS400は、鉄の中でもポピュラーな規格として知られています。化学物質の規定がほとんどない点が特徴で、一般的に持ちられる場合には問題がないレベルの耐熱性を持っています。
流通量が多くリーズナブルであるため、手に入れやすい点が大きなメリット。炭素の含有量が少なく焼き入れ不要な加工性の良さもメリットとなっています。ただし柔らかい材料として使用されており、硬さが必要な場面においては不向きといった面もあります。